ikemenserieslのブログ

イケメンシリーズ ストーリーのネタバレです

2020-01-23から1日間の記事一覧

100プリ【ゼノ】2話前半

しだいに近づいて来る足音に一瞬だけドレスの裾を握りしめた。 (隣国シュタインの国王陛下...どんな方なんだろう) 目の前で足が止まり、濃い影が落ちる。 視線を上げて口を開きかけたその瞬間...... 目の前の姿に息を呑んだ。 (......嘘) ゼノ「.........…

ヴァンパイア【アイザック】1話

美しい月の光に導かれるように、私はルーヴル美術館の扉から不思議なお屋敷へと迷い込んだ。 落ちたら最後、もう二度と戻れない運命の恋に巡り合うとも知らずに…ーー (誰かに首を咬まれる夢を見るなんて.....) 奇妙な夢のあらましを話すと、執事のセバスチ…

戦国【佐助】情熱11話後半

佐助「……幸村」 幸村「…………」 静寂に満ちた野原で、幸村は自分の腕を枕にし、大の字になって寝ていた。 佐助も隣に腰を下ろし、同じように寝転がる。 佐助「この満天の星も見納めだな……」 幸村「……惜しいのは、星だけかよ」 身体を起こした幸村が佐助をきつ…

戦国【佐助】情熱11話前半

顕如との一戦が終結した翌日––– 国境で上杉武田軍と織田軍の会合が、改めて開かれた。 両軍の武将や家臣たちとともに、仲介役を果たした私も呼ばれ、佐助くんと隅に控える。 信長・秀吉「…………」 信玄・謙信「…………」 (昨日よりましだけど、やっぱり空気が凍…

戦国【佐助】共通10話後半

その日の日暮れ、国境の平原は、戦地と化した。 迫りくる黒装束の一団の数は、優に千を超えている。 援軍の到着を待たず、国を背負う将たちは刀を抜いた。 信長「–––貴様ら、抜かるなよ」 秀吉・光秀「はっ」 信玄「悲願の大戦を汚した罪、償ってもらおうか…

戦国【佐助】共通10話前半

タイムスリップから二ヶ月と二週間––– 国境の開けた平野の真ん中で、両軍の和平交渉が開かれることになった。 信長・秀吉「…………」 謙信・信玄「…………」 (空気が凍りそう……!) 目の前では安土の武将たちと春日山の武将たちが、鋭い眼差しで相対している。 ど…

戦国【佐助】共通9話後半

佐助「……」 (っ……私の気持ちは変わらない) 言葉を交わさないまま、ふんっとお互いに顔を背け合う。 幸村「おいおい、お前らな……」 困り顔の幸村を残し、佐助くんは頑として黙ったまま去っていった。 (こんなにも分かり合えないのは、初めてだ。誰より一番…

戦国【佐助】共通9話前半

「少し休んで。今お茶を淹れるから……」 支度しようとした私に、佐助くんが首を振る。 佐助「ありがとう。でも、時間がない。すぐに謙信様たちのもとへ報告に行かないとならない」 「え……」 佐助くんの緊迫した眼差しに、返す言葉がかすれる。 佐助「偵察の結…

戦国【佐助】共通8話後半

謙信様から木刀を向けられて以来、これまでと一転して声をかけられることが多くなった。 謙信「美香、こちらへ来い。俺の姫鶴一文字を見せてやろう」 (え、今日も?) その日も宴が始まってすぐに、上座の謙信様から名前を呼ばれる。 「昨日も一昨日もその…

戦国【佐助】共通8話前半

「蘭丸くんだよね!? どうして逃げるの……っ」 蘭丸くんがゆっくりと私へ振り返り…… 蘭丸「……馬鹿だなあ、美香様。どうして罠だと思わなかったの?」 「え……?」 温度を感じさせない蘭丸くんの瞳が私を捉える。 蘭丸「敵地へ逃げた君の前に、織田軍に属する…

戦国【佐助】共通7話後半

佐助「当分、君のツッコミが聞けないのは俺も寂しい。というか……ツッコミだけじゃないな」 「え?」 少し戸惑ったように佐助くんが目を伏せた。 佐助「どうやら俺は、君がいないと寂しいみたいだ」 「ええっ?」 くらっとして、目の前で星が砕け散ったかと思…

戦国【佐助】共通7話前半

「大事な人たちに、二度と会えなくなるのに……悲しくないの?」 気持ちをぶつけると、佐助くんがかすかに眉をひそめた。 佐助「どうして……か。自己分析してみるから、少し待って。とりあえず歩こう。血流をよくすれば脳も活性化され、考えがまとまるはずだか…

戦国【佐助】6話後半

佐助「心臓が、鳴ってる」 「え……?」 (佐助くんも、私と一緒……?) 佐助「君に初めて出会った時も、こうだった。何かが胸の辺りでスパークしたんだ」 「スパークって……。雷がかすったんじゃ……?」 自分の胸に手を当て、佐助くんは記憶をたどるように呟く。…

戦国【佐助】共通6話前半

三成「こんなことを言ってはいけませんが……どうしても私は、佐助殿を憎いと思えません」 秀吉「俺もだ、三成。美香が裏切ってなかったって話も本当だろう」 蘭丸「……俺もそう思うよ」 美香との日々が偽りのものではなかったと知り、安堵した空気がかすかに流…