2020-01-24から1日間の記事一覧
__...お披露目パーティーがおわり プリンセス終了まで、あと91日。 クロード「美香、右腕を上げて」 「うん」 クロード「おい、それは左手だ お前の好きな色を刺繍に使おうか、何色が好きだ?」 「...うん、そうだね」 ぼんやり答えると、髪をわしゃわしゃと撫で…
レオナルド「おい小娘。さっさとセバスのところ行って、それ手当てしてもらってこい」 レオナルドさんは煙草をくゆらせながら、こちらを指差す。 レオナルド「セバスから聞かなかったか?それは俺たちにとって刺激物だ」 私の左手の薬指には、鮮やかな赤が滲んで…
美香「わぁ、変わってないね……!」 「ああ、懐かしいな」 美香と佐助が安土を訪れたその日、空は見事な快晴だった。 (美香さん、ご機嫌だな。長旅をしてきた甲斐があった) 久しぶりにそぞろ歩きする城下町は、以前以上に賑わっていて、暴動の爪痕はいまやな…
春日山城の朝は早い––– 謙信「そこの忍び、今日こそはお前を斬る」 佐助「待ってください、謙信様」 (佐助くん、危ない!) 刀と刀が打ち合わされる音を目覚ましに、住人たいが起き出してくる。 信玄「ん、今日も始まったか」 幸村「またやってるのかよ……」 …
(ん……明るい……) 力なくまぶたを開けると、部屋の中には柔らかな日差しが差し込んでいた。 (身体に、まだ熱が残ってる……) 目を瞬かせながら布団の中で脚をきゅっとすり合わせると…… 佐助「美香さん、起きた? おはよう」 「おはよ……佐助くん」 先に起き出…
幸村「ったく……再会の挨拶にしては物騒すぎんだろ」 佐助「幸村……!?」 佐助の振り下ろした刀を軽々受け止め、幸村は頷いた。 幸村「相手の顔くらい確かめろよ、らしくねえ。どうやら一足遅かったみてえだな……」 佐助「どうして幸村が……」 交わる刃越しに、…
美香が元就の手に落ちた、翌日––– 堺の港付近の茂みに、身を潜める蘭丸の姿があった。 高い木の上から、蘭丸は堺の港のとある船を、ひたすら見張り続けていた。 傷は癒える気配がなく、疲労が彼の柔らかな頬を尖らせ、目ばかりが爛々と光っている。 蘭丸「あ…
佐助「……これはこれで、かなり困る」 「どうして……?」 身体を起こしかけて、いきなり視界が反転する。 (わっ?) 柔らかい草むらに押し倒されたと気づいた時には、覆いかぶさる佐助くんが私を真っすぐ見下ろしていた。 佐助「これでも必死に歯止めをかけて…
謙信「気が変わった。契約など知るか。お前は俺が磨き上げた名刀……手放すくらいなら、この手で叩き斬って終わりにしてやる」 佐助「え……?」 信玄「謙信、お前、何を言って……」 謙信「佐助、覚悟!」 佐助「!!」 即座に謙信様が刀を抜き放った。 (謙信様…
激しい顕如との一戦が終結した翌日––– 早朝に起きだし、顔を洗って身支度を整えていると、離れた場所に佐助くんの姿が見えた。 遠くからシルエットを目にしただけで心が躍る。 (ちょっと緊張するけど……) 想いを交わした昨夜の記憶が、私を佐助くんの元へ小…
現代に帰還してから三ヶ月後––– 佐助「では教授、今までお世話になりました」 教授「君のような優秀な学生が自主退学とは残念だ。いつでも戻っておいで、三雲くん」 佐助「……はい」 挨拶をして教授と別れたあと、佐助の口からぽつりと呟きが漏れた。 佐助「…
翌朝––– (ん……) 重いまぶたをゆっくり持ち上げる。 (あれ……ここどこ?) 見慣れない天井をしばらく眺めた後…… (そうだ、私、佐助くんと……) 現代に戻ってきて、このホテルの部屋で一夜を過ごしたことを思い出す。 (あんな風に触れられると思ってなかっ…
「あなたが……蘭丸くんの話していた、すべての黒幕……!?」 元就「蘭丸の奴、バラしてやがったか。まあ、話が早くて助かる」 手袋をはめた手で襟首を掴まれたかと思うと、乱暴に立たされる。 元就「お前に文なんざ送った猿飛佐助を恨むんだな。俺は、お前の男…
「ぁっ……」 佐助「その声、もっと聞きたい」 唇が首筋を伝い降り、胸元にキスが落とされ、身体の奥が一層熱くなった。 (こんな甘ったるい声……自分が自分じゃないみたいだ。もっと触れてほしい。もっと佐助くんの体温を覚えていたい) どうしようもなく甘く…
蘭丸「そうだね……。ここまで悩みに悩んできたから、もう少しだけ、悩んでみるよ。……生き延びられたらの話だけど」 「どういう意味……?」 蘭丸くんの瞳に力強さが滲んで、凛とした声が響いた。 蘭丸「俺には、どうしても倒さなきゃならない相手がいるんだ。日…