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イケメンシリーズ ストーリーのネタバレです

2020-01-21から1日間の記事一覧

戦国【光秀】共通7話前半 彼目線

(ついに今夜か) お囃子の音が鳴り響き、一夜の特別な祭りが始まった。 次から次へ華やかな芸を繰り広げる一座の面々、舞台を囲み賑わう村の人たち、そして––– 一段高い場所に設けられた豪奢な観覧席で、大名の隣で気だるげに目を細めているのは、 ここにいる…

戦国【光秀】共通7話前半

(ついに今夜だ……) お囃子の音が鳴り響き、一夜の特別な祭りが始まった。 次から次へ華やかな芸を繰り広げる一座の面々、舞台を囲み賑わう村の人たち、そして––– 一段高い場所に設けられた豪奢な観覧席では、大名と『義昭様』がくつろいでいる。 義元さんの姿…

戦国【光秀】共通6話後半

(ん……、目が重たい……) 布団から起き出し、あくびを噛み殺す。 すっかり身支度を整えた光秀さんが、文机に向かって筆を走らせていた。 華麗な筆運びについ見惚れるけれど、すぐに昨夜の出来事を思い出し、ハッとした。 「あ、あの……っ、おはようございます………

戦国【光秀】共通6話前半

(わぁ……!) 村の外れに組み上げられた舞台を見上げ、感嘆のため息が出た。 その回りで、一座の仲間と思しき人たちが忙しく立ち働いている。 光秀「これはこれは、大したものですね」 座長「千年に一度あるかないかの、ありがたい機会なんで、お殿様が張り切…

戦国【光秀】共通5話後半

信長「光秀。俺が見出した女に、貴様は手をつけたのか?」 信長様はどこか愉快そうに、秀吉さんは飛びかかりそうな顔で、光秀さんを見据えている。 (胃が痛い……っ。なんでこんなことに……!) 光秀「実は……半端な覚悟ではございません」 (……ん?) 光秀「美香を…

戦国【光秀】共通5話前半 彼目線

「–––話せ、美香。これ以上のことを俺がお前にする前に」 美香の襟首を掴みながら、光秀は出来うる限り声を低めた。 (後生だから、言うことを聞け) 使者との密会を見られたのは不覚だった。 裏切りが発覚したことで美香が自分から離れていくだけなら、さして…

戦国【光秀】共通5話前半

光秀「–––話せ、美香。これ以上のことを俺がお前にする前に」 (……っ、どうして……?) 名前の知らない激しい感情がお腹の底から突き上げて、心臓を押し潰す。 初めて私は自分から手を伸ばして、光秀さんに触れた。 光秀「っ……?」 手のひらで包み込んだ頬が、…

戦国【光秀】共通4話後半

(あっ、光秀さん……? 誰かと一緒にいる……) ???「急な訪問に応じていただき感謝する。やはりあなたは、我が主の見込んだ通りのお人のようだ」 光秀「御殿にお招きできず失礼いたしました。文をいただいた時は驚きましたが……こちらこそ、よいお話をくださり…

戦国【光秀】共通4話前半

光秀「いいか、美香。誰もがお前のような清い心を持っていると思ったら、大間違いだぞ」 光秀さんは後ろ手に襖をパン、と閉めたかと思うと、座布団に座る私の方へ一歩踏み込んだ。 (な、何……?) 片膝をつき、私の前にしゃがみ込む。 濃い影が落ち、長い前髪…

戦国【光秀】共通3話 後半

「よくない噂を聞いたの。光秀さんの家臣が捕らえた顕如の手先のことで……」 政宗「…………」 「首謀者を聞き出すために、光秀さんが、その……ひどい拷問をしたって……」 政宗「それは、事実だ」 (……! そんな……) 政宗「何を驚いてる。お前、光秀が敵に情けをかけ…

戦国【光秀】共通3話 前半

茶屋を出ると、西日が安土の町を染め上げていた。 (あれ、もうそんな時間?) 光秀「案外、長居していたようだな」 「そうですね……」 (楽しくて、時間が経つのがあっという間だった。我ながら意外……。はじめの頃は見かけるたびに避けてたくらい、この人が苦手…

戦国【光秀】共通2話 後半

「お願い、止まって……! 言うことを聞いて!」 恐怖に駆られてたてがみにしがみつくと、馬は前脚を蹴り上げた。 (っ、落ちる……! 短い人生だった……) 覚悟を決めた私の身体は、石畳に打ち付けられ––– は、しなかった。 (あれ……?) 力強い両腕が、私を抱きとめ…

戦国【光秀】共通2話前半 彼目線

「おはよう、美香。支度はできているようだな」 美香「っ……はい、おはようございます」 光秀は後手に襖を閉めながら、今日から弟子になる娘をしげしげと眺めた。 美香は顔を強張らせ、正座のまま微動だにしない。 髪はキリリと結い上げられており、あらわに…

戦国【光秀】共通2話 前半

(はぁ、気が重い……) 身支度の仕上げに髪を結び終えたのと同時に、襖がスパンと開かれた。 光秀「おはよう。美香。支度はできているようだな」 「っ……はい、おはようございます」 油断のならない微笑を目にした瞬間、背筋はピンと伸びていた。 光秀「そう身構…

戦国【光秀】共通1話後半

政宗「信長様、お待たせを」 信長「……揃ったな」 広間へ足を踏み入れ、私は即座に後悔した。 (無理にでも断ればよかった。場違いにもほどがある……!) 居並ぶ武将たちは、装いはもちろん顔つきまで普段と違っている。 きっとこれが、戦いに向かおうとする武士…

戦国【光秀】共通1話前半

(うーん……) 起き抜けに伸びをひとつして、私は障子を開け放った。 のどかな鳥の鳴き声、ビルにも電線にも邪魔されず広がる空、清らかすぎるほど清らかな空気––– (朝が来るたび思い知らされるな。ここは戦国時代だって) タイムスリップし、安土城で暮らし始め…

100プリ【ゼノ】共通1話前半

手首を掴まれたまま転がるように車内から出されると脱げてしまったガラスの靴まで転がり落ちる。 (いけない...っ...) 視線を上げると逆光の中、私をじっと見下ろす姿があった。 突然の出来事に呆気に取られてると、足の甲に指先がかかりつま先にガラスの靴…

戦国【佐助】共通2話前半

信長「貴様を守ったつもりはない。奴らが邪魔なので斬った、それだけだ」 「……っ、そう、ですか」 (この人には、人間らしいところなんてなさそう……。佐助くんがせっかく助言してくれたけど、理解し合おうと思うのは、やっぱり無理なのかな) 諦めて戻ろうと…

戦国【佐助】共通1話後半

佐助「気にしないで。俺には、君に快適な戦国ライフを送ってもらう義務があるから」 (義務?) 「それってどういう……」 尋ねようとしたとき、佐助くんがわずかに眉を持ち上げた。 直後、肩を抱かれ、腕の中へ引き寄せられる。 「ど、どうしたの!?」 佐助…

戦国【佐助】共通1話前半

「お世話になります、皆さん」(三ヶ月間なんとしても切り抜けて、現代に帰ろう!)意気込む私の顎を指先で持ち上げ、信長様がにやりと笑う。信長「可愛がってやる、美香」「け、結構です……っ」慌てて後ろへ下がって信長様から離れる。信長「ほう、逃げると…