ikemenserieslのブログ

イケメンシリーズ ストーリーのネタバレです

100プリ【ゼノ】3話 前半

目の前に並んだ豪華な料理に、思わず息を呑む。 アルバート「どうかされましたか?」 「あ、いえ。あまりに豪華な料理なので驚いてしまって」 アルバート「...国賓で招いているのに、充分なもてないしができていない せめて、食事くらい喜んで頂きたいとゼノ様が…

ヴァンパイア【アイザック】3話

振り向いたアイザックさんの瞳に、まだ少しだけ怯えた自分が映り込む。 (勇気を出して、ちゃんと一度向き合わないと......) 「あの」 アイザック「ごめん」 「えっ......?」 私が言うよりも先に、アイザックさんが頭を下げた。 アイザック「......昨日の夜、あん…

100プリ【ゼノ】2話後半

__...お披露目パーティーがおわり プリンセス終了まで、あと91日。 クロード「美香、右腕を上げて」 「うん」 クロード「おい、それは左手だ お前の好きな色を刺繍に使おうか、何色が好きだ?」 「...うん、そうだね」 ぼんやり答えると、髪をわしゃわしゃと撫で…

ヴァンパイア【アイザック】2話

レオナルド「おい小娘。さっさとセバスのところ行って、それ手当てしてもらってこい」 レオナルドさんは煙草をくゆらせながら、こちらを指差す。 レオナルド「セバスから聞かなかったか?それは俺たちにとって刺激物だ」 私の左手の薬指には、鮮やかな赤が滲んで…

戦国【佐助】両ルートMAX特典

美香「わぁ、変わってないね……!」 「ああ、懐かしいな」 美香と佐助が安土を訪れたその日、空は見事な快晴だった。 (美香さん、ご機嫌だな。長旅をしてきた甲斐があった) 久しぶりにそぞろ歩きする城下町は、以前以上に賑わっていて、暴動の爪痕はいまやな…

戦国【佐助】幸福秘密END

春日山城の朝は早い––– 謙信「そこの忍び、今日こそはお前を斬る」 佐助「待ってください、謙信様」 (佐助くん、危ない!) 刀と刀が打ち合わされる音を目覚ましに、住人たいが起き出してくる。 信玄「ん、今日も始まったか」 幸村「またやってるのかよ……」 …

戦国【佐助】幸福13話後半

(ん……明るい……) 力なくまぶたを開けると、部屋の中には柔らかな日差しが差し込んでいた。 (身体に、まだ熱が残ってる……) 目を瞬かせながら布団の中で脚をきゅっとすり合わせると…… 佐助「美香さん、起きた? おはよう」 「おはよ……佐助くん」 先に起き出…

戦国【佐助】幸福13話前半

幸村「ったく……再会の挨拶にしては物騒すぎんだろ」 佐助「幸村……!?」 佐助の振り下ろした刀を軽々受け止め、幸村は頷いた。 幸村「相手の顔くらい確かめろよ、らしくねえ。どうやら一足遅かったみてえだな……」 佐助「どうして幸村が……」 交わる刃越しに、…

戦国【佐助】幸福12話後半

美香が元就の手に落ちた、翌日––– 堺の港付近の茂みに、身を潜める蘭丸の姿があった。 高い木の上から、蘭丸は堺の港のとある船を、ひたすら見張り続けていた。 傷は癒える気配がなく、疲労が彼の柔らかな頬を尖らせ、目ばかりが爛々と光っている。 蘭丸「あ…

戦国【佐助】幸福12話前半

佐助「……これはこれで、かなり困る」 「どうして……?」 身体を起こしかけて、いきなり視界が反転する。 (わっ?) 柔らかい草むらに押し倒されたと気づいた時には、覆いかぶさる佐助くんが私を真っすぐ見下ろしていた。 佐助「これでも必死に歯止めをかけて…

戦国【佐助】幸福11話後半

謙信「気が変わった。契約など知るか。お前は俺が磨き上げた名刀……手放すくらいなら、この手で叩き斬って終わりにしてやる」 佐助「え……?」 信玄「謙信、お前、何を言って……」 謙信「佐助、覚悟!」 佐助「!!」 即座に謙信様が刀を抜き放った。 (謙信様…

戦国【佐助】幸福11話前半

激しい顕如との一戦が終結した翌日––– 早朝に起きだし、顔を洗って身支度を整えていると、離れた場所に佐助くんの姿が見えた。 遠くからシルエットを目にしただけで心が躍る。 (ちょっと緊張するけど……) 想いを交わした昨夜の記憶が、私を佐助くんの元へ小…

戦国【佐助】情熱秘密END

現代に帰還してから三ヶ月後––– 佐助「では教授、今までお世話になりました」 教授「君のような優秀な学生が自主退学とは残念だ。いつでも戻っておいで、三雲くん」 佐助「……はい」 挨拶をして教授と別れたあと、佐助の口からぽつりと呟きが漏れた。 佐助「…

戦国【佐助】情熱13話後半

翌朝––– (ん……) 重いまぶたをゆっくり持ち上げる。 (あれ……ここどこ?) 見慣れない天井をしばらく眺めた後…… (そうだ、私、佐助くんと……) 現代に戻ってきて、このホテルの部屋で一夜を過ごしたことを思い出す。 (あんな風に触れられると思ってなかっ…

戦国【佐助】情熱13話前半

「あなたが……蘭丸くんの話していた、すべての黒幕……!?」 元就「蘭丸の奴、バラしてやがったか。まあ、話が早くて助かる」 手袋をはめた手で襟首を掴まれたかと思うと、乱暴に立たされる。 元就「お前に文なんざ送った猿飛佐助を恨むんだな。俺は、お前の男…

戦国【佐助】情熱12話後半

「ぁっ……」 佐助「その声、もっと聞きたい」 唇が首筋を伝い降り、胸元にキスが落とされ、身体の奥が一層熱くなった。 (こんな甘ったるい声……自分が自分じゃないみたいだ。もっと触れてほしい。もっと佐助くんの体温を覚えていたい) どうしようもなく甘く…

戦国【佐助】情熱12話前半

蘭丸「そうだね……。ここまで悩みに悩んできたから、もう少しだけ、悩んでみるよ。……生き延びられたらの話だけど」 「どういう意味……?」 蘭丸くんの瞳に力強さが滲んで、凛とした声が響いた。 蘭丸「俺には、どうしても倒さなきゃならない相手がいるんだ。日…

100プリ【ゼノ】2話前半

しだいに近づいて来る足音に一瞬だけドレスの裾を握りしめた。 (隣国シュタインの国王陛下...どんな方なんだろう) 目の前で足が止まり、濃い影が落ちる。 視線を上げて口を開きかけたその瞬間...... 目の前の姿に息を呑んだ。 (......嘘) ゼノ「.........…

ヴァンパイア【アイザック】1話

美しい月の光に導かれるように、私はルーヴル美術館の扉から不思議なお屋敷へと迷い込んだ。 落ちたら最後、もう二度と戻れない運命の恋に巡り合うとも知らずに…ーー (誰かに首を咬まれる夢を見るなんて.....) 奇妙な夢のあらましを話すと、執事のセバスチ…

戦国【佐助】情熱11話後半

佐助「……幸村」 幸村「…………」 静寂に満ちた野原で、幸村は自分の腕を枕にし、大の字になって寝ていた。 佐助も隣に腰を下ろし、同じように寝転がる。 佐助「この満天の星も見納めだな……」 幸村「……惜しいのは、星だけかよ」 身体を起こした幸村が佐助をきつ…

戦国【佐助】情熱11話前半

顕如との一戦が終結した翌日––– 国境で上杉武田軍と織田軍の会合が、改めて開かれた。 両軍の武将や家臣たちとともに、仲介役を果たした私も呼ばれ、佐助くんと隅に控える。 信長・秀吉「…………」 信玄・謙信「…………」 (昨日よりましだけど、やっぱり空気が凍…

戦国【佐助】共通10話後半

その日の日暮れ、国境の平原は、戦地と化した。 迫りくる黒装束の一団の数は、優に千を超えている。 援軍の到着を待たず、国を背負う将たちは刀を抜いた。 信長「–––貴様ら、抜かるなよ」 秀吉・光秀「はっ」 信玄「悲願の大戦を汚した罪、償ってもらおうか…

戦国【佐助】共通10話前半

タイムスリップから二ヶ月と二週間––– 国境の開けた平野の真ん中で、両軍の和平交渉が開かれることになった。 信長・秀吉「…………」 謙信・信玄「…………」 (空気が凍りそう……!) 目の前では安土の武将たちと春日山の武将たちが、鋭い眼差しで相対している。 ど…

戦国【佐助】共通9話後半

佐助「……」 (っ……私の気持ちは変わらない) 言葉を交わさないまま、ふんっとお互いに顔を背け合う。 幸村「おいおい、お前らな……」 困り顔の幸村を残し、佐助くんは頑として黙ったまま去っていった。 (こんなにも分かり合えないのは、初めてだ。誰より一番…

戦国【佐助】共通9話前半

「少し休んで。今お茶を淹れるから……」 支度しようとした私に、佐助くんが首を振る。 佐助「ありがとう。でも、時間がない。すぐに謙信様たちのもとへ報告に行かないとならない」 「え……」 佐助くんの緊迫した眼差しに、返す言葉がかすれる。 佐助「偵察の結…

戦国【佐助】共通8話後半

謙信様から木刀を向けられて以来、これまでと一転して声をかけられることが多くなった。 謙信「美香、こちらへ来い。俺の姫鶴一文字を見せてやろう」 (え、今日も?) その日も宴が始まってすぐに、上座の謙信様から名前を呼ばれる。 「昨日も一昨日もその…

戦国【佐助】共通8話前半

「蘭丸くんだよね!? どうして逃げるの……っ」 蘭丸くんがゆっくりと私へ振り返り…… 蘭丸「……馬鹿だなあ、美香様。どうして罠だと思わなかったの?」 「え……?」 温度を感じさせない蘭丸くんの瞳が私を捉える。 蘭丸「敵地へ逃げた君の前に、織田軍に属する…

戦国【佐助】共通7話後半

佐助「当分、君のツッコミが聞けないのは俺も寂しい。というか……ツッコミだけじゃないな」 「え?」 少し戸惑ったように佐助くんが目を伏せた。 佐助「どうやら俺は、君がいないと寂しいみたいだ」 「ええっ?」 くらっとして、目の前で星が砕け散ったかと思…

戦国【佐助】共通7話前半

「大事な人たちに、二度と会えなくなるのに……悲しくないの?」 気持ちをぶつけると、佐助くんがかすかに眉をひそめた。 佐助「どうして……か。自己分析してみるから、少し待って。とりあえず歩こう。血流をよくすれば脳も活性化され、考えがまとまるはずだか…

戦国【佐助】6話後半

佐助「心臓が、鳴ってる」 「え……?」 (佐助くんも、私と一緒……?) 佐助「君に初めて出会った時も、こうだった。何かが胸の辺りでスパークしたんだ」 「スパークって……。雷がかすったんじゃ……?」 自分の胸に手を当て、佐助くんは記憶をたどるように呟く。…